おいでよ!エルフの森!

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おいでよ!エルフの森16!

ここは剣と魔法のファンタジーの世界にあるエルフの森。  その昔、エルフは人間よりも優れた魔法技術を持っていたのだが、邪悪な魔王の手によって重度のジャンキーになる呪いをかけられてしまい、今では見る影もない。

 

最近村では最近妙な噂が広がっていた。「この森に吸血鬼が住み着いたらしい」という噂だ。

噂を聞いた銃砲店の店主は特製の銀の弾丸を作って売り始めた。

便乗した八百屋がニンニクの特売を始めた。

魚屋はニンニク料理に合うイカや貝の特売を始めた。

アッパー屋シャブシャブでは吸血鬼グッズと称して注射器の特売を始めた。

ダウナー屋ヒーローも負けじと阿片10%割引きを始めた。

近所でセール中でよく分からないが割引セールを始める店も多かった。

そしてついに居酒屋ではビアガーデンが始まった。今ならビール3時間飲み放題だ。

珍しくリリアンヌは興奮していた。ビール3時間飲み放題のチラシを見たのだ。
3時間で銀貨3枚とは破格である。こんなことは今までなかった。

彼女は酒好きではあったがそこまで金遣いの荒い方ではなかったからだ。

(これは行くしかないわね……!)

かくして二人は夜の街へと繰り出すことにした。

 

その夜酒場には二人のエルフがいた。

ごきゅっごぎゅっごきゅっごきゅっ……ぷっはーーーーー!!!!

「くぅ〜〜〜たまんないわ!!」

「もう一杯ちょうだい!!」

ジョッキを掲げる二人の姿があった。

一人は酔って顔を真っ赤にした金色の髪の女だった。

もう一人はそんな女を見てニヤついていた。

リリアンヌさぁ〜それ何杯目?」もう一人の方は銀色の髪をした美少女。

「え?うーん20杯目くらいかしら……」

「ひえぇ…」少女はドン引いていた。

20杯目のビールを飲み干すと金髪の少女は大きくため息をつく。

「あああ……美味しいわねぇ……。」

軟骨を食べしみじみと言う。そうしている間に店員さんが追加注文を聞いてきた。

「お客さまどうされますか?」

「とりあえず生中お願いします!」元気良く答えたのはリリアンヌの方であった。

追加分が来るまでの間、金髪の少女が話しかけてきた。

「ねえ、あの吸血鬼の噂聞いたことある?」

「あの吸血鬼ってどんなのよ」

「なんかね、全身血まみれなんだって!それで人を襲っているみたいだよぉ〜」

「へえそうなんだあ」興味なさげに答えるリリアンヌであった。彼女はよく分からない噂より目の前のアルコールのが重要だった。

「でも大丈夫かなぁ、もし襲われたらどうしようから?」

心配する少女に対して、全く危機感のない顔で答えるリリアンヌ。

「まあまあその時に考えましょう」

リリアンヌは追加の焼き鳥を注文した。届いたビールを一気に飲み干す。

ごきゅっごきゅっごきゅっごきゅっごきゅっごきゅっ…ぷっはーーーー!!

「最高よねえ……」幸せそうだ。

 

エルフの里は降って湧いた吸血鬼特需で賑わっていた。普段は質素倹約がモットーだが、ここぞとばかりに贅沢をしているものが多かった。

吸血鬼特需で村は潤った。それは良いことであった。吸血鬼を捕らえて売り払おうと考えてる者も多かった。せっかく銀の弾丸を買ったのだから使いたいと思っている村人も多かった

店の店主達はこの機会に一儲けしようと思い次々と新製品を売り出した。

八百屋はニンニク料理セット、魚屋はニンニク料理用海鮮セット、銃砲店では吸血鬼用ホローポイント弾、シャブシャブ屋は吸血鬼記念セール10g買うと1gオマケセール、サイケ屋は新しい吸血鬼柄のLSDを発売、ダウナー屋ヒーローは今だけ阿片セール、コーヒーショップは吸血鬼向けトマトジュース販売…おおよそ吸血鬼と関係のない物が殆どだった。

「ねぇ、リリィ?吸血鬼って本当にいると思う?」

「いないんじゃない?だって私見てないもの」

「そっかあ。じゃあいないかあ」

二人は酔い潰れていた。リリアンヌは机に突っ伏して寝ている。ジャンヌは床で大の字になって眠っていた。

エルフの森はお祭り騒ぎになっていた。

 

翌朝、目を覚ました二人は二日酔いで苦しんでいた。

「うえぇ……気持ち悪い……」

「リリィもなの……?ちょっと待ってて水持ってくるから……」「ありがとう……」

二人は水を飲んでいた。

「昨日のあれは何だったのかしら……?」

「さあ?」

昨日の夜、酒場には二人のエルフがいた。リリアンヌとジャンヌである。二人は昨日まで酒を飲んだくれていたが、今は二日酔いで頭が痛かった。

「ねえリリィ……もうやめようよ……今日はお酒控えた方がいいんじゃないかなあ……?」

「そうね……明日は仕事だし……今日は止めておくわ……」

二人はお互いに回復魔法を掛け合い寝る事にした。

 

次の日の朝、2人は久々にコーヒーショップで朝食を取る事にした。

「リリィおはよう」「おはようジャンヌ」

朝っぱらからヘビースモーカーのようにマリファナを吸っている二人。煙を吐きながらリリアンヌが言う。

「やっぱここのモーニングセットは美味しいわ」

「うん、美味しいねー。……ところでその手にある物は何かなー?」

「え……?」

リリアンヌの手には一升瓶があった。中には透き通る透明な液体が入っている。

「これは何ですかー?」

「これはね……魔力を回復させるものよ」

「そうなんだぁ」

「そうよ」

「ふーん」

リリアンヌはゴクリと飲む。

「う……まっ……!」「何やってるの!?」

「眠気覚ましに…こうして……ごきゅっごぎゅっごきゅっごきゅっ……ぷはー!!」

「朝からそんなことしないでよ!」

「えへへぇ」

「全くもう……」

「まあまあ、ほら、ジャンヌも飲みなさいよ」

リリアンヌが勧めてくる。

「私はいいよぉ……」「大丈夫よぉ!一口だけでも!ね?」「うぅ〜しょうがないなあ」

リリアンヌがグラスについでくれる。恐る恐る口に含む。

「ん……美味しい!」「でしょう?もっと飲みなさいよぉ〜」「えへへ〜」

それから二人はマリファナを吸いながら芋焼酎をぐびぐびと飲んだ。

夕方になり店長が起こしてくれた。「2人とも起きてください」

「あ……?ああ……?」

頭痛い……。

「なんでこんな時間まで寝てるんですか……」

「え……?今何時?」

「もうすぐ夕方ですよ」

「え……?本当?」

「はい。もう夕方です」「あ、じゃあそろそろ帰らないと……」

「早く帰ってください」

リリアンヌはジャンヌを連れて家に帰った。

家に帰り着いて二人は泥の様に眠りこけた。

次の日の朝、二人は二日酔いで苦しんでいた。

「うう……気持ち悪い……」「頭がガンガンする……」

ジャンヌとリリアンヌはまたお互いに回復魔法を掛け合った。「ジャンヌ、治った?」「リリィこそ」

「ジャンヌ、一緒にお風呂入ろう」「そうだね」

二人は裸になって浴室に入った。「ジャンヌ、体洗ってあげる」

「ありがとうリリィ」

体を洗いっこした後湯船に浸かる。

「はあ……生き返るわ……」

「私も……」

「ねぇ、ジャンヌ」

「何?リリィ」

「昨日の夜は楽しかったね」

「うん、楽しかった」

「またやろうね」

「うん」

二人はお風呂から出た後、ジャンヌが夕飯を作る。リリアンヌはリビングで異世界から召喚したテレビを見ながらくつろいでた。

「できたよー」

ジャンヌが料理を持ってくる。今日のメニューはオムライスだ。

「いただきます」

二人は黙々と食べ始める。「美味しい」

「良かった」

「ジャンヌ、ありがとね」

「どういたしまして」

リリアンヌは思った。

(なんか、前より仲良くなった気がする)

 

次の日、二人は仕事に出かける準備をしていた。リリアンヌが鏡の前で髪を整えている。ジャンヌは朝食の準備をしている。

玄関で靴を履いているとリリアンヌがジャンヌを呼んだ。

「ジャンヌ、これ付けてみてくれない?」

リリアンヌは赤いリボンを持っていた。

「え?うん」

ジャンヌはリリアンヌの後ろに回る。ポニーテールに結んだ。

「どうかな?」

「可愛いと思う」

「そう、よかった」

「行ってらっしゃい」

「行ってくるね」

リリアンヌは薬の取り引きに向かった。ジャンヌはパイプの掃除を始めた。仕事を終え、リリアンヌが帰ってきた。

「ただいまー」「おかえりー」

リリアンヌは買ってきた物を渡す。

「はい、頼まれてたもの」「ありがとう」

ジャンヌは包みを受け取る。

「リリィ、ご飯作るね」

「うん、お願いね」ジャンヌが夕食を作っている間、リリアンヌは部屋で着替えていた。

「リリィ、出来たよー」

リリアンヌは食卓に向かう。今日の献立は焼き魚に味噌汁、白米である。

リリアンヌは箸を取り食べる。「ん、おいしい」ジャンヌはリリアンヌを眺める。「なぁに?」

「うぅん、なんでもないよ」

ジャンヌは微笑んだ。

夕食を食べながらリリアンヌは焼酎をラッパ飲みしている。

「ぷっはー!」

「リリィ、そんなに飲んで大丈夫?」

「平気よぉ!まだまだこれからよ!」

リリアンヌは一升瓶を持ち上げる。

「ジャンヌも飲みなさいよ!」「えぇー」

ジャンヌはあまり酒に強くないので飲むのを控えているのだ。何よりジャンヌはマリファナ派だ。

ジャンヌはリリアンヌから受け取った小包を思い出した。頼んでいた。頼んでいたハシシのはずだ。

(どんな感じなんだろ?)

ジャンヌは包装紙を破り中身を取り出す。中に入っていたのは黒いボール状の大麻樹脂だった。匂いを嗅いでみる。甘い香りがした。少しライターで炙り千切ってみた。「ん……良い香り!」

それからジャンヌはリリアンヌにお酒を断り部屋からパイプを持って来た。

ハシシを軽く炙り千切ってパイプに詰める。何度か繰り返してパイプに詰まったらライターで火を付け煙を吸う。スパイシーな香木の香りがする美味い煙が入ってくる。ジャンヌはうっとりとした顔でハシシを楽しんだ。

「はあ……最高……」

しばらく楽しんでからパイプを置き、ジャンヌは目を閉じてリラックスした。

リリアンヌがぐびぐびと喉を鳴らす音が聞こえるだけの静かな夜だ。

 

次の日、ジャンヌはリリアンヌと一緒に買い物に出かけた。二人は街を歩いている。

「ジャンヌ、今日は何を買うの?」

「服かな」

二人は服屋に入った。ジャンヌは店に置いてある服を見ていく。リリアンヌは店員に話しかけた。「この子に似合う服を探してるんだけど……」

「ジャンヌちゃんなら何でも似合うと思いますよ」

「そうかしら……」

リリアンヌはジャンヌの肩を掴み振り向かせる。そして上から下までじっくりと見た。

「うーん……やっぱりどれも同じに見えるわね……」

リリアンヌは頭を悩ませた。ジャンヌはマネキンを見て呟く。

「私も着れるようなサイズのが無いや」

リリアンヌはジャンヌの手を引き店を後にした。

二人が家に帰ってくる。リリアンヌはジャンヌの部屋から箱を持ってくる。「はいこれ」

「何?それ?」「開ければ分かるわよ」

ジャンヌは梱包を解き中身を見る。中には黒いワンピースが入っていた。ジャンヌはワンピースを着てみる。サイズはぴったりだ。

「どう?」「可愛いじゃない」

リリアンヌは写真を撮る。

「ねぇ、ジャンヌ」

「なぁに?」

「その服を着たままデートしない?」

「いいよ」

二人は手を繋ぎ外に出た。二人は街を歩く。リリアンヌはジャンヌの姿を見て言った。

「うん、よく似合ってる」

「そう?」

「可愛い」

ジャンヌは照れくさそうな顔をする。

「もう……褒めても何も出ないよ」

「本心なのになー」

リリアンヌは笑う。

(そういえば)

ジャンヌは思った。

(リリィって、私のこと好きみたいだけど、恋愛的な意味なのかな?)

ジャンヌはリリアンヌの方を見た。リリアンヌはジャンヌの顔を見ている。「ん、どうかした?」

「え、あ、なんでもないよ」

「ふーん」リリアンヌはジャンヌの頬にキスをした。

「ひゃっ!?」

「可愛い」

リリアンヌはまた歩き出す。

「ほら、行くよ」

ジャンヌの顔は真っ赤になっていた。

「うん」

ジャンヌはリリアンヌについていく。

「どこに行こうか」

「どこでも」

「じゃ、喫茶店でも行こっか」

二人は歩いていった。

リリアンヌは喫茶店に入る。ジャンヌはコーヒーを注文し、リリアンヌは紅茶を頼む。しばらくすると飲み物が届いた。

「いただきます」

リリアンヌはカップを手に取り、一口飲んだ。ジャンヌは砂糖を入れたミルクティーを飲む。甘さが口に広がった。

ジャンヌはマリファナを取り出し火を付ける。ジャンヌはリリアンヌを眺めていた。リリアンヌは紅茶を飲みながらジャンヌを見ていた。

(なんだろ、見られてる?)

ジャンヌは何か言おうとして口を開けた。

「あのさ」

「ん?」

「ちょっと聞きたいんだけど」

「なに?」

「リリィは私の事好きなんだよね」

リリアンヌは驚いた顔になる。「急にどうしたの?」

「いや、昨日聞いたからさ」

「そうだったっけ?」

リリアンヌは首を傾げた。

「まあいいわ」

リリアンヌは咳払いしそのまま有耶無耶にしてお茶を楽しんだ。しばらくして二人は席を立った。

「そろそろ帰る?」

「そうだね」

「今日はありがとう」

「うぅん」

ジャンヌとリリアンヌは手を繋ぎ2人の家に帰っていった。

リリアンヌが寝ている。マリファナを吸いすぎて気絶するように眠った。

ジャンヌはハシシを吸っている。

(なんか変な感じだなあ)

ジャンヌは思う。なんとなくだが、リリアンヌが自分を好きだというのは本当なんじゃないかと思う。しかし、それは恋愛感情ではなく親愛とかそういうものだろう。

(私はどうなんだろ……?)

ジャンヌは自分の気持ちを考えた。

「…………」

ジャンヌはリリアンヌの髪を撫でた。さらさらとした髪の感触を味わう。

(あぁ、好きかも)

 

 

 

 


結局エルフの森に吸血鬼がいたかどうかは分からない。

でもエルフの森が平和だった事は間違いが無いのだ。今日も一日平和だった。明日もきっと平和だろう。明後日も平和に違いない。

 


エルフの森はラヴ&ピース

 


-END-