おいでよ!エルフの森!

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おいでよ!エルフの森5!

ここは剣と魔法のファンタジーの世界にあるエルフの森。

 


その昔、エルフは人間よりも優れた魔法技術を持っていたのだが、邪悪な魔王の手によって重度のジャンキーになる呪いをかけられてしまい、今では見る影もない。

 


エルフの森の奥深くに、エルフの里があった。

ありふれた里に一軒の家があった。そこにはアルコール中毒の銀色の長い髪をした美しい美少女リリアンヌと、マリファナを愛してやまない金髪碧眼の美しい美少女ジャンヌが住んでいた。

 


「あー!美味え!!」

リリアンヌは酒瓶を手に取りラッパ飲みする。

 


リリアンヌ。銀髪蒼瞳のエルフだ。優しい性格だが怒らせるとめちゃくちゃ怖い。酒を飲んだら手がつけられないほど暴れ出す事もある。

もう一人がジャンヌだ。金髪碧目の少女である、不真面目な性格をしており、彼女の一番好きなものはマリファナだった。

 


そんな彼女たちは森の中で暮らしていた。面白半分でモンスターや人間を狩猟をしたり、村の芥子畑で仕事をしたりしながらヤクを密売し暮らしており、充実した毎日を送っていた。

 


ある日のことだった。ある時里に一人の初老のエルフが現れた。彼は名をホフワンと言った。薬物合成の達人だ。彼の活躍によりエルフの里の生活は大きく変わった。

まず、リリアンヌは彼に勧められカビから幻覚剤を作ることを覚えた。最初は好奇心からた合成を始めたが、今では化学合成が大好きになっていた。

最初リリアンヌは驚いた。麦に付くと毒性が強すぎ食べられなくなり捨てられている麦角菌から素晴らしい幻覚剤が作れるのだ。

人間からカビた麦をタダ同然で仕入れる。そこから複雑な行程をいくつも行ない最強の幻覚剤であるLSDに仕上げるのだ。

LSDの合成法を編み出したホフワンはエルフ達から非常に尊敬されていた。ごく微量で効果があり使って良し売って良しの素晴らしい物質だった。

さらに彼は薬の効果を高めるために様々な研究をしていた。例えば村では芥子を栽培しており芥子から取れる阿片から麻薬成分を単離しモルヒネを作った。更にモルヒネからヘロインを合成し里の収益は大きく増えた。こうしてエルフの里には大量のドラッグが流通するようになった。エルフ達は幸せだった。

 


ある日のこと、村に人間の軍隊が現れたのだ。彼らはこの森を王国の領地に組み込もうとやってきたのだ。そしてエルフたちを奴隷として連行しようとした。

当然、そんな事は不可能だった。エルフ達は異世界から召喚した大量の銃器で武装しており中世程度の軍隊はあっさりと処分された。

エルフ達は報復とばかりに王国に神経ガスサリンを散布した。王国の街は全て壊滅状態になった。

しかしまだ足りなかった。もっと苦しめばいいと思った。そこでエルフたちは王都に細菌兵器を使用した。

結果、王は死に、王家の血筋は途絶えた。生き残った貴族は国を捨て逃げたり降伏したりした。

王国は完全に制圧され、占領されてしまった。エルフ達は報復が済み用済みとなった元王国をどうするか悩んだ。

統治するのは面倒だった。エルフ達は面倒な事が嫌いだった。その時、ホフワンがある提案をした。

『ここは一つ、新しく傀儡国家を作り新しい王様を迎えてもらってはいかがでしょうか?』

それは名案だと皆思った。早速、エルフ達が集められ会議が行われた。その結果……王国で虐げられ奴隷にされていたホビット達に特権と権力を与え統治させる事にした。

ホビットの国の名前は"ヤクヅクリ王国"に決定した。初代の王は適当に選んだホビットに任せた。イエスマンなら誰でもよかった。

虐げられてたホビット達は運が良かった。運良く支配者階級なれたからだ。これで飢えることも無い、虐げられる事もない。人間の奴隷も沢山居た。奴隷にほぼ全ての労働をさせていが『反乱を起こされては面倒だ』と思ったエルフ達は異世界から調達したジャガイモやサツマイモ、トウモロコシや大豆といった育てやすい作物を普及させ奴隷達を飢えさせないようにした。暴動など起こされるのは面倒だった。

肥料不足はホフワン博士が異世界の書物から見つけたハーバー・ボッシュ法と呼ばれる魔道技術により空気中から無限に肥料を作り出し解決した。

王国の人間達は不思議がった、奴隷に落とされ酷使されやがて飢えて死ぬと思っていた。だが実際は新しい貴族のホビットから新しい農作物や作物がよく育つ素晴らしい肥料が与えられ暮らしが昔より良くなっていた。昔の貴族は飢饉の時すら例年通り税を奪っていったし冬場の餓死者は珍しく無かった。だが今はちゃんと働けば飢えることは無い。奴隷達は喜んで薬物の密売をするようになってくれた。

エルフの森で作られた各種薬物はヤクヅクリ王国に運ばれた後、人間の売人奴隷に渡される。売人たちは帝国や皇国へ運び薬を売るのだ。

売った薬の1%は売人の取り分になる。薬物の売却益は膨大だ。少量でも金貨100枚。多量に持ち込めば白金貨200枚にもなる。

生まれて一度も金貨を見た事がない者も多かった。リスクはあっても1回の密輸で金貨数枚から白金貨まで儲かる密輸事業は大人気だった。しかしそれでもリスクはある。エルフから提供された偽造身分証があっても、門番や国境警備隊に鼻薬を嗅がせても、密輸トンネルを掘っても、海を渡っても密入国はバレるリスクがあった。

そこでヤクヅクリ王国の人間達は帝国や皇国や公国で奴隷を買い密輸さえせる者も多く居た。

ホフワン博士の協力もあり飴と鞭の統治政策は大成功だった。それから約500年が経った。

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「……」

マリファナを吸いながらジャンヌとリリアンヌは書類に目を通していた。

 


麻薬の密売で稼いだ金は莫大なものになった。あれから何度も薬物汚染で周囲の国が滅び、滅ぶたび新しい国が興った。国が新しくなってもやる事が変わることは無かった。

リリアンヌはヤクヅクリ王国からの書類に目を通す。

【レグス公国では阿片が流行り至る所に阿片窟があり公国民が中毒になっている】

その報告を見て安堵する。「阿片か、問題ないわね」

阿片はエルフの里で大量に作っている。阿片からモルヒネを単離しヘロインも作っている。阿片の次はモルヒネを売り、モルヒネの次はヘロインを売るのだ。公国はまだまだ搾り取れそうだ。ドラッグの密売だけでも王国時代の数十倍稼いでいる。王国時代に王国に売りつけた麻薬を今度は帝国や皇国に売って儲けている。王国とエルフの里の関係は良好だった。王国とエルフの里の関係が良好なのは王国が"媚びを売っている"からだ。エルフ達はホビットを優遇し飴を与えるが苛烈な鞭も忘れて居なかった。時々出てくる生意気な貴族は一族郎党高射砲で公開処刑した。

 


そんな事を考えつつ、ジャンヌは報告書を眺めていた。

【セン王国では覚醒剤が蔓延し、市井の民から貴族まで愛用している】その報告書を読んで嬉しくなる。

ホビット達の密売組織はエルフの森で作られる各種薬物を帝国や皇国、そして王国に輸出していた。500年に及ぶ麻薬密売技術は完璧だった。ほぼ全ての国の重鎮貴族は金と薬と暴力で懐柔されていた。

世界各国が協力しヤクヅクリ王国へ経済制裁や禁輸処置を取っていたが効果はまるで無かった。ハーバーボッシュ法により無限に作り出せる肥料で食糧問題は解決していたし、金があれば何でも買えた。商人は儲かれば良いのだ。例え相手が悪の王国であろうが金払いは良いし、他国では値段が付かない労働力にならないような奴隷も買ってくれる上客だった。買われた奴隷は勿論ドラッグの密輸や現地で売人として使われる。

各国はヤクヅクリ王国を恐れた。ヤクヅクリ王国の国王はホビットだ。エルフ達とは仲が良いが他の種族には冷たかった。特に人間は徹底的に見下されていた。

実際はホビット達を完全に支配しているのはエルフであり例え王族でも決してエルフに逆らえなかった。

『極悪な巨大国家』が森に住む遅れたエルフに支配されてるとは夢にも思わなかった。それはヤクヅクリ王国に住む人間たちも同じだった。彼らは500年の時代の中でホビットが王侯貴族であり、人間が平民である事に疑問を感じなくなっていた。危ない仕事は買った奴隷とその子孫に任せ、平民達は農民や商人や職人など普通の生活をしていたのも理由だった。自分達がエルフに支配されていると知る者は居なかった。

 


王国の次の王は誰になるんだろう?ジャンヌは考えたが答えが出なかったので考えるのをやめた。

今日も家で2人は仕事を続ける。

リリアンヌ、今何時?」

「午後4時20分ですね…」

 


もう仕事は終わりだ。エルフの里では勤労は4時20分までの掟だ。

「疲れたーー…」ジャンヌは背筋を伸ばし書類や筆記具を片付け自室に戻る。

 


自室に戻り今日のマリファナを選ぶ。選んだらお気に入りのボングも取り出す。

コンコン…扉がノックされリリアンヌがペットボトル焼酎とビーフジャーキーを持って入ってくる。

 


トクトクトク……ワイングラスに焼酎が注がれていく…

トクトク……ガラスボングに水が注がれいく…

 


ジャンヌは今日のマリファナを火皿に詰め、リリアンヌはおつまみを広げる。

 


二人は仲良く乾杯し煙と酒に酔いしれる。夜はこれからだ…

 


今日もエルフの森は平和だった。明日も明後日も平和だろう。

 


エルフの森は今日もラヴ&ピース

 


-END-